桜木紫乃

シャッターチャンス 廃墟でヌード撮影をするのがあこがれだったんだ・・・ 本日開店 お布施はいつまでもご本尊のかかとの下に置かれたままだった・・・ えっち屋 ホテルを経営していたというより「ホテルローヤル」という建物に使われつづけて・・・ 客は陽が高くても夜を求めてここにくる・・・ バブルバス あの泡のような二時間が、ここ数年でいちばんの思い出となっていた・・・ せんせぇ あの人たちとうとう、商売からも、家族からも逃げたんだよ・・・ 借金なんて、あそこをでて行く都合のいいきっかけ・・・ 星を見ていた 少しずつ温かくなる正太郎の背中でひと揺れごとに眠りに吸い込まれ・・・ ギフト みかんに貼られていた『ローヤル』というシールを見、ホテルの名前にしようと・・・